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あらゆる選択肢が分岐点となる

2017年 04月22日 18:33 (土)


ようやくリンコも目覚めて動き出したので、そろそろクライマックスが近いかな~とも思われる亜種の海編ですが、まだレンカは出てこないですね。あとリンタについて、ここまで出張っちゃったら、もう絵起こししてあげても良いかな~とも、最近思っていたりします。でも亜種の海編はクライマックスが近づいたと言っても、まだまだ続きますがね。で、今日のおまけもペン描きシリーズ(なのか?)で、ミクオ単独です。しかしミクやミクオの髪の毛、どのように表現するかでちょっと悩みました。それは最初にシャーペンで描いた時もでしたがね。

mikuosumi.jpg

ルイ「うざい!キモイ!鬱陶しい!!」

ルイ、いづなを振り回して自分にまとわりつこうとする手たちを薙ぎ払う。

ルイ「ちっ!ホールっちゅうもんは厄介やな。出口、他にあらへんのか?」

ルイ、いづなを振り回しつつ、周囲をうろうろ歩き回る。

ルイ「いづなでミユユに連絡するっちゅう方法もあるな。せやけどミユユをウチのことで手煩わせるわけにもいかへん。ウチは雌ミカンと違うからな。漂流亜種として、亜種の海でずっと修業してたんや。せやからウチは強いんや!」

ルイ、自分自身に言い聞かせるようにしてホールの中を歩き回るも、やはり表情は不安を拭いきれず。

ルイ「・・・雄ミカンと葱男、ミユユとレイに追いついたやろか?」

ルイ、歩くスピードがだんだん落ちるも、とぼとぼと一人で歩き続ける。

ルイ「レンカ様。レイ、ミユユ・・・」

いづな、大鎌から通常サイズへ戻り、ルイの周囲をぐるぐる回る。

ルイ「何や?元気出せ言うとるんか?・・・大丈夫や。ウチは元気やで」

いづな、それでもルイの周囲をぐるぐる。

ルイ「いづな、ウチにくれた。・・・せやけど、消失してしもうたんや」

ルイ、目じりに涙が浮かぶ。

ルイ「了音、なして消失するねん?ウチやミユユ残して、勝手すぎるやん。いくら葱男と共存しとるっちゅうても、それじゃ了音違うねん!了音は了音として、存在しとらなあかんのや!!」

いづな、ルイの肩の上に乗る。

ルイ「・・・ウチ、まだ了音に何も伝えとらん。感謝の言葉も、気持ちも・・・」

ルイ、肩の上のいづなを撫でる。

ルイ「レンカ様も、雄ミカンに対してこげな気持ちやったんかな?・・・ぴゃっ!?」

ルイ、踏み出した先に地面がないことに気付くも、そのまま落下。いづな、翼を広げてルイを支える。

ルイ「ひゃああ!!!」

ホールの横道から、別の空間へ落下。ルイ、いづなのおかげで無事に着地するも、周囲を見渡して茫然。

ルイ「何や?ココ。ホールから出られたんはええけど・・・」

ルイ、自分の足の下に転がっているたくさんのガラクタを見て眉をしかめる。

ルイ「これ、腕やな。あっちは足やし、あれは頭や。・・・ふん。どうやらアンドロイドのジャンクの墓場って感じやな」

ルイ、歩き出すも足場が悪いため、ゆっくりとした歩調。

ルイ「ホールにあったあの手の軍団、ココの連中やったんか。かろうじてまだ動けたんが、ああやって悪さしとったんやな」

いづな、通常サイズに再び戻り、ルイの周囲を飛ぶ。

ルイ「消失すらできずに、こげな場所で朽ちるんか。・・・ん?」

ルイ、前方にしゃがみこんでいる人影らしきものを発見。

ルイ「何や。バラバラになっとらんボディのジャンクもあるんか?・・・え?」

ルイ、人影に近寄ったところで、立ち止まる。

ルイ「・・・なしてこげなところにおる?雌ミカン」

リコ「・・・・あ」

リンコ、地面にしゃがみ込んで泣き続けていたが、ルイに声をかけられて顔を上げる。

リコ「ルイ?なんでココに・・・」

ルイ「それはウチが今、自分に聞いたことやん」

リコ「う・・・」

リンコ、ルイの顔を見て再び泣き出すと、そのままルイに突撃ハグ。

ルイ「ぴゃっ!?」

リコ「ルイ~!!」

ルイ「何やねん?・・・しゃあないな」

ルイ、呆れつつリンコの背中をさする。リンコ、そのまま泣き続ける。いづな&パサラ、そんな二人の周囲をぐるぐる。

次回につづく
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孤独感を分かち合うことが愛情

2017年 04月16日 17:52 (日)

休日で天気も良いし、ちょっとばかり出かけようかな~なんて思っていたら、毎月の体調不良がやってきてしまい、結局断念。予定では来週あたりのはずだったのに・・・。ここ数日、どうも体調が優れないと思ったら、この影響だったか。で、今日のおまけはミク単独のペン描きイラストで、これからミクだけでなくウチのボカロたち全員を描く予定。でもまずは系列で分けて初音系列から開始です。その理由は、初音系列のが人数が少ないため(四名なので)。ちなみにペン描きというか、墨絵っぽいものを描きたいと思って試作品として作成したのが、このミクちゃんです。

mikusumi.jpg

リト「・・・なあ。どうでもいいけれど、どんどん道幅っていうか、ホールが狭くなってないか?」

ルイ「そやな。ウチもそう思うわ」

クオ「ホールはそのまま放置していると、自然に閉じる構造だ。どうやらホールが召喚されて、それなりの時間が経過したらしい。よって閉じ始めているんだろう」

リト「ええ!?それ、やばくないか?それにミクオ、なんでそんなこと知っているんだよ?」

クオ「俺の知識じゃない。これはシュヲの知識からの情報だ」

ルイ「・・・ふーん。葱男、やっぱ了音と共存しとるんやな」

ルイ、半眼で複雑そうな表情。ミクオ、それを見てため息。

クオ「だが、俺にはホールもゲートも召喚できない。シュヲと共存していても、まだ奴のデータはかろうじて保たれている状態だからな。復活までは時間もかかる」

リト「じゃあ、急いだ方がいいってことだよな?ミユならホールを広げることも可能かもしれないけれど」

クオ「そうだな」

ルイ「せやけどミユユもレイも、どこに行ってしもうたんや?すぐ追いつく思っとったんに」

クオ「ホールの中は通常の距離感や時間という概念は通用しない。だからミユもシュヲも、不安定なホールではなくつねにゲートを選んで召喚していたんだ」

リト「それもシュヲからの情報か。まあミクオだとゲート召喚はできないとしても、そういった情報を知ることができるだけ、ありがたいけれど」

クオ「そうだな。確かに俺もシュヲと共存したことで、俺が知らなかった情報をいろいろ知ることができてありがたい」

ルイ「そげなことはどうでもええ。せやけど了音の知識あるんやったら、ミユユとレイがどこにおるんか分からへんのか?」

クオ「シュヲだってそこまでは分からないが、ケセランパサランならわかるだろう。リント、ケセラは?」

リト「ケセラは壊れちゃったのを知っているだろ?だから無理だよ」

ルイ「それやったらいづな、先行させた方がええな」

ルイ、自分の横にいたいづなを前へ促す。

ルイ「いづな!ミユユとレイのところまでウチらを案内するんや」

いづな、ルイの言葉に反応し、そのまま勢いよく前へ。ルイ、リント、ミクオ。そんないづなを追いかける。

リト「わわっ!?」

リント、前のめりに倒れそうになる。

ルイ「雄ミカン、何しとる?気い付けろ!」

ルイ、リントが後ろから倒れかかり、肩を押されたので不機嫌そうに振り返る。

リト「悪い。何か足元に突っかかって・・・。え?」

リント、地面を見下ろして表情をしかめる。

リト「なんだ?地面、ぼこぼこしている・・・っていうか、これは・・・」

クオ「おい!横を見ろ!!」

リト「わっ!地面だけじゃなくて、横の壁もだ!!」

ルイ「なっ・・・」

地面や壁から、にょきにょきと手らしきものが生えてくる。

リト「いっ!?き、気色悪い~!!」

ルイ「ぎゃあ!」

クオ「前・・・。ホールの出口、ふさがりかけている。二人とも、走るぞ!」

ミクオ、リントとルイの腕を掴み、伸びてくる手らしきものを振り払い、蹴り飛ばしながら走り出す。

リト「上!天井にも生えてる!!」

クオ「あと少し・・・くっ!」

ホールの出口、どんどん縮まる。ミクオ、リントとルイを出口に向かって放り投げる。リント&ルイ、ホールの外の通路らしきエリアへ。

リト「ミクオ!」

ルイ「いづな!大鎌に変形や!!」

リント、まだホールの中のミクオへ手を伸ばす。ルイ、いづなの柄をつっかえ棒代わりにし、強引にホールが狭まるのを阻止。

ルイ「葱男、はよせえ!!」

リト「ミクオ、早く!」

リント、ミクオの腕を掴むことに成功。ミクオを引っ張り寄せる。ミクオ、ホールから無事脱出。

リト「・・・良かった。ミクオ」

ルイ「何とか間に合ったわ。・・・きゃっ!!?」

ルイ、いづなをホールから外すも、いづなの柄を掴んでいたホールの中の手により、いづなごとホールに引っ張られてしまう。

リト「ルイ!?」

クオ「・・・!」

リント&ミクオ、慌ててホールへ向って飛び込もうとするも、ホール、閉鎖。ルイ、ホールの中に閉じ込められてしまう。

リト「そんな・・・。ルイ!!!」

クオ「・・・ミユだ。ミユに連絡すれば、ホールは開く!」

リト「だけど、ルイが・・・」

クオ「あいつは漂流亜種だし、いづながある。だから鏡音姉よりはホールでも適合できるはずだ。だからルイが何とか持ちこたえている間に、俺たちはミユに追いつかねばいけない」

リト「・・・・ケセラが無事なら、ミユにすぐに連絡できるのに」

クオ「ルイが一緒でいづながあると思って、油断したのが痛かったな。もう一匹ケセランパサランを用意しておくべきだった」

リト「とくかくルイを助けるには、おまえの言うようにミユに連絡するのが確かに一番だな」

クオ「では、行くぞ。リント」

リト「うん。ルイ、ミユが来るまで、何とか持ちこたえてくれよ!」

ミクオ&リント、ミユに追いつくべく走り出す。

次回につづく

たとえ世間からずれても絶対に歩み寄らない

2017年 04月09日 19:13 (日)

今日のおまけもやっぱりまた変な漫画の続きですが、とりあえず今回でこのストーリーは終わりとなっています。ちなみに最後のコマの写真(なのです)は幼少期のミクオとリントですが、その後ろに半分だけレンカもいて、ミクオを睨んでいるといった感じですね。幼少期のレンカは、今以上にミクオに敵対心を強く抱いて毛嫌いしていたからな。

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キョヤ「どうも見かけないと思ったら、余計なことをしてくれましたね。こんなところにリンコを案内するなんて」

キョウヤ、漆黒のローブの人物を見据える。

リコ「この人は寝ていた俺をわざわざ起こしてココに連れてきてくれたんだ!俺、ずっとキョウヤに会って話したいと思っていたから、この人がキョウヤのところに俺を連れてきてくれて感謝しているんだ。だから怒らないで。キョウヤ」

キョヤ「別に怒ってはいません。しかしココはリンコにとっては危険な場所です。すぐに戻りなさい」

リコ「嫌!俺、キョウヤとセットなんだぞ。だからキョウヤとちゃんと話して、キョウヤの行動の意味を知りたいんだ!」

キョヤ「私の行動の意味ですか?」

リコ「そうだよ。キョウヤ、どうしてレンカを攫ったりしたの?レンカは何処にいるの?」

キョヤ「レンカなら大丈夫です。安全なところにいますよ。そして攫ったというのは、少し語弊がありますね。私はただレンカの願いを叶えるべく、レンカを迎えに行ったまで。あのエリアにあのままいたのでは、レンカの願いは叶うことはありませんから」

リコ「レンカの願い?」

キョヤ「そう。心の深い場所にひっそりと眠っていた気持ち。自分自身ではうまくコントロールすらできないような、残酷なる感情。そしてその願いが、想いが結晶となって私を亜種の海に産み落としたのです」

リコ「・・・・・」

キョヤ「レンカの願いを叶えるためには、どうしてもあのエリアにいるメンバーの中には邪魔となる存在がいましたからね」

リコ「邪魔って・・・。だってレンカ、みんなと仲良くしていたよ?」

キョヤ「それは理性がありますからね。表立ってはそうでしょうが、心の奥底では、嫉妬や憎悪が渦巻いていたのですよ」

リコ「嫉妬に憎悪。それって・・・」

キョヤ「リンコ。貴女はミクオ君と相思相愛ですが、もしミクオ君がリンコではなく、別の女性に気持ちを傾けていたらどう思いますか?」

リコ「!」

キョヤ「当然そうなれば、嫉妬心が生まれます。ミクオ君を誘惑した女性に対して、憎悪にも似た感情を抱くでしょう。それはとても自然な感情です。しかし幸いにもリンコがミクオ君を選んだように、ミクオ君もまたリンコを選んだ。そのために貴女はそういった感情に苛まれるリスクは低かった。そうですね?リンコ」

リコ「それは、そうだけど・・・」

キョヤ「ですがレンカの場合は、そうではなかったのです。レンカが選んだ殿方は、レンカではなく別の女性を選んでしまったのです。それゆえにレンカは相手の殿方を想う気持ちを、どうにかして捨て去らねばならなかったのです」

リコ「まさか・・・」

キョヤ「レンカの最も身近にいて、最も彼女と親しかった殿方。それが誰なのかは、言わずとも貴女にはわかるでしょう?私がレンカから生まれ、貴女は彼から生まれたのですから」

リコ「・・・違う。それは違うよ!レンカ、ミクとリントがうまくいくように、協力するって言ったんだ。レンカ、ミクのことを嫌ったりしていない!リントのことは、兄としてしか見ていないって・・・」

キョヤ「そうすることしか、レンカには出来なかったのです。なぜならリント君の気持ちは、最初からレンカには向いていなかったのだから。最初からミクさんに憧れを抱き、ミクさんはミクさんで、一目でリント君に恋をしたのですから。二人が気持ちを通わせている事実を知りながら、どうしてレンカにそれを壊すようなことが出来るでしょう?自分の気持ちさえ犠牲になれば、二人はうまくいくのです。それが分かっていたからこそ、レンカは自分の気持ちを誰にも言うことはできなかったのです」

リコ「誰にも?」

キョヤ「そうです。姉妹として親しくしているリンさんや、自分の正規であるレン君にすら言えなかったのです。もっともレン君は、それでもレンカの正規ですから、レンカの気持ちに感づいていたようですがね」

リコ「じゃあ、キョウヤがレンカの願いを叶えるっていうのは、まさかリントとレンカを?」

キョヤ「そうです。リント君をレンカに取り戻してもらうべく、私が動いたまでです」

リコ「それならミクはどうなるの?」

キョヤ「ミクさんはどうにもなりませんね。はっきり言って、私にとって彼女はどうでもよい存在です。だからミクさんにはリント君を諦めてもらえれば、それ以上は何も望みません」

リコ「だけどミク。本当にリントのこと大好きなんだ!俺、ミクの気持ちはよく分かっているよ。だからリントのこと、諦めるなんてしないよ」

キョヤ「それは困りますね。そうなると消失させるという選択肢もありますが、彼女はリンコにとって大切なミクオ君の正規ですし、出来ればそういったことは避けたいのですが」

リコ「それにミクとレンカも、仲良くしているよ!ミク、レンカのことをいつも可愛いって言っているし、レンカもミクのこと綺麗って言って、リントにふさわしいって・・・。だからレンカ、ミクの消失なんて願ってないよ!」

キョヤ「そうかもしれませんね。ですがミクさんは、レンカにとって残酷な人です。レンカに対して優しい態度だったために、レンカは彼女を憎みきることが出来ず、結局気おくれして身を引くしかなかったのですから」

リコ「そもそもレンカの願いを叶えるって言っても、ミクだけでなくリントはどうするつもりなの?リントだって、関係しているんだろ?」

キョヤ「ええ。だからリント君も迎えに出向いたのですが、少し目を離した隙にどうやらシュヲ君とミクオ君に連れ去られてしまったようです。残念ですが、リント君のことは後回しにするしかないのが今の状況ですね」

リコ「・・・キョウヤ。リントまで、攫おうとしたの?」

キョヤ「レンカの願いを叶えるには、リント君はどうしても必要ですからね」

リコ「ダメだよ!そんなことしたら、みんなもっとキョウヤに対して怒っちゃう!リントもレンカも、元通りに俺たちのエリアに戻してあげて!!」

キョヤ「別にそれで私は構いません。私は憎まれて嫌われてこそ、私の生まれた意味があるのです。リンコ、貴女がみんなから愛されるように」

リコ「え?」

キョヤ「私と貴女は、何もかも正反対です。リント君から望まれて生まれた貴女は、その後もリント君はもちろんミクオ君やミクさんたちから守られ、愛されて認められる存在となりました。対する私は、レンカが無意識に生み出したがために亜種の海に捨てられ、レンカは私を認めるどころか恐れと嫌悪しか覚えず、他の方々もそれは同様で、誰からも愛されない存在となったのです。でもだからこそ、私はレンカの願いを叶えようと考えたのです。だってそれこそが彼女のすべてを壊すことになり、私の生まれた意味を証明できるのですから」

リコ「・・・キョウヤ。何を言っているの?」

キョヤ「リンコ。私はレンカがとても愛しいと同時に恨んでもいるのです。そしてレンカをそんな風にしたリント君のことも、殺してしまいたいくらいに愛しくて憎いのです」

リコ「・・・そんな。違うよ。キョウヤ、そんなことないよ!俺、キョウヤのこと好きだよ。誰からも愛されないなんて、言わないで!」

キョヤ「リンコ。貴女にはミクオ君やミクさんがいるじゃないですか。貴女に私は、必要ないでしょう?」

リコ「そんなことない!俺とセットと言えるのは、キョウヤだけだ!!ミクやミクオは大好きだけど、二人とも俺とはセットじゃない。俺、ずっとセットの相手が欲しかった。キョウヤと出会えて、本当に良かったと思っているんだ。それに確かにみんな、キョウヤのこと怒っているけれど、シュヲは違うよ。シュヲ、キョウヤのことを嫌いじゃないって言った」

キョヤ「シュヲ君がですか?私は彼に深い傷を負わせたというのに」

リコ「それでもシュヲは、キョウヤのことを憎んだり嫌ったりしていない。もしキョウヤがちゃんと今までのことを悔い改めてくれれば、少なくともシュヲだけは絶対キョウヤのことを認めてくれるよ」

キョヤ「・・・やはり彼の心は、美しいですね」

キョウヤ、かすかに微笑。

キョヤ「彼の心には、愛情がないだけでなく憎しみもない。だからこそ、私は彼が羨ましくてならないのです。愛情と憎しみにがんじがらめになった状態で生まれた私と比べて、シュヲ君はあまりに美しく自由すぎたのだから」

リコ「・・・・・」

キョヤ「さて。おしゃべりはこれくらいにしましょう。リンコ、ココにこれ以上いては、貴女の器にとっては負担になります。貴女のデータの脆弱性は、貴女だって自覚しているでしょう?」

リコ「それはそうだけど・・・。でもレンカを返してくれれば、みんなきっとキョウヤのことも許してくれるから、レンカを迎えに行きたいよ。それに俺、レンカのことも妹みたいに思っているから大好きだし」

キョヤ「それはできない相談です。ですがリンコ。貴女とはセット契約を結んだことですし、私としても貴女には安全な場所で今まで通りに他の方々に大切に守られていてほしいのです」

リコ「俺もそうしたいけれど、キョウヤがレンカを返してくれるまで、ココから動かないからな!」

キョウヤ、頑なな態度のリンコを見てため息。仕方なく瓦礫の山から飛び降りるも、そのままリンコではなく漆黒のローブの人物の方へ。

キョヤ「行きますよ。これ以上、ここでリンコと押し問答をするつもりは私にはありません。私としても、時間が惜しいのです」

漆黒のローブの人物、無言で頷くとキョウヤの隣へ移動。そのまま二人、リンコに背を向けて歩き出す。

リコ「待って!二人とも、どこにいくの!?」

リンコ、慌ててそんな二人を追いかけるも、どんどん二人との間に距離が生まれる。

リコ「キョウヤ!レンカを返して!!!!」

リンコ、瓦礫に躓いて地面に倒れ込む。急いで起き上がるも、すでに前方に二人の姿はない。

リコ「キョウヤ・・・」

リンコ、その場にしゃがみ込んで泣き出す。パサラ、そんなリンコを慰めるようにリンコの肩にのって頬にすり寄る。

次回につづく

ルールは誰かの為でなく作った奴の為にある

2017年 04月02日 18:32 (日)


4月に入ったというのに、なんだか肌寒い日が続いております。桜開花や満開のニュースも見聞きするが、我が家の桜はまだ咲かないわ。で、今日のおまけもやっぱり初音家の漫画の続きである。我が家ではリンコが登場する前は、ミクはミクオとリンちゃんをくっつけようと画策していたのでした。

hatsunerinhai3.jpg

ミク「・・・なんだか今になって、ここに一人残されたリンコちゃんの気持ちが凄く理解できるわ」

レン「俺も。リンコ姉、リンとレンカを探しに亜種の海に行くって言い張って、譲らなかったもんな」

リン「・・・そうなんだ。リコちゃんも、リンとレカちゃんのために亜種の海に行きたがっていたんだ」

ミク「だけどデータの強度から、どうしてもリンコちゃんを連れていくわけにはいかないって、シュヲがリンコちゃんを強制的にあのポッドに入れたのよ」

レン「でもそんなシュヲ兄も、今はデータ弱体化してクオ兄との共存でかろうじて支えられている状態だもんな」

リン「そしてリコちゃんは、ポッドで眠っていたはずなのに、こうしていなくなっちゃった」

ミク「そうね。でもきっとミユたちがリンコちゃんを見つけて、レンカちゃんを助け出してくれるわ」

リン「うん。だけどリンたちは、それを待っていることしかできない。それって、すごく歯がゆいよね?」

ミク「そうね。こうして私たちは存在しているのに。・・・何か私たちにも、出来ることがあればいいのに」

リン「リンたちはルイちゃんが言っていたように、亜種の海では異質なんだよね?それなら、何もできないよ」

ミク「亜種の海ならね。でもココは違うわ。だってこのゆりかごは、私たちのエリアの一部でしょ?」

リン「あ、そっか。そうだよね」

レン「でもココで何ができるんだよ?俺、このゆりかごのことはよく知らないよ。せいぜい知っているのはシュヲ兄とミユ姉が生まれた場所で、データ破損した時とかは、修理やメンテに活用される場所っていうことぐらいだよ」

リン「リンもココには初めて入ったから、ぜんぜん知らないよ。シュー君やミユちゃんが生まれた場所っていうことも、今のレンの言葉で初めて知ったよ」

ミク「知らないから、知るために少し調べてみない?所詮ココから出られないなら、それくらいしても良さそうでしょ?」

リン「そうだね。じっとしているよりは、マシかも」

レン「もしかしたら、マスターともココなら連絡がつながるかも。だってココ、シュヲ兄やミユ姉が生まれた場所だからそれなりに設備が整っているだろうし、俺たちが普段過ごしているところより、マスターと連絡がつきやすい可能性もあるよ」

ミク「それだわ!レン君、ナイスなひらめきよ!」

リン「マスターと連絡がつけば、レカちゃんやリコちゃんのことも、マスターのサポートで何とかなるかもしれない」

ミク「じゃあ、善は急げだわ!マスターとの連絡をとるために、とりあえずココの設備を確認しよう!ね?」

リン「うん!」

レン「ココにはポッドがあるだけでこれといった設備はないけれど、別の部屋もあるみたいだし、そっちに行ってみようよ!」

ミク「そうね。リンちゃん、レン君。行こう!」

リン&レン「「うん!」」

三名、そのままゆりかごの中の探索を開始。

~小休止~

リコ「・・・待って!」

リンコ、息を切らしながら前を走っている人物を追いかける。パサラ、そんなリンコの周囲をぐるぐる回り、リンコに警告を与える。

リコ「パサラ、邪魔しないで!」

漆黒のローブの人物、リンコが追いかけてくるのを時々振り返って確認しつつ、しかし走るのをやめずにホールを突き進む。そのままホールを走り続けていると、やがてリンコが力尽きて立ち止まったところで、漆黒のローブの人物が一旦踵を返してリンコの目の前に戻ってくる。

リコ「はあはあ・・・。あの、君は誰?どうして俺を、起こしてくれたの?それに、どこに行こうとしているの?」

漆黒のローブの人物、そんなリンコの質問に返事はせず、いきなりリンコの腕を掴む。パサラ、漆黒のローブの人物に噛みつこうとするも、リンコがそれを阻止。

リコ「ダメ!パサラ、じっとしていて。この人は俺を起こしてくれたんだからな!攻撃しちゃダメだ!!」

パサラ、リンコの命令でおとなしくなるも、警戒してリンコの周囲をぐるぐる回り続ける。

リコ「何?」

漆黒のローブの人物、リンコの腕をぐいぐい引っ張りつつ歩き出す。しばしそのまま歩き続けると、いつの間にか周囲の風景が変化。

リコ「ここは、どこ?」

漆黒のローブの人物、不意に立ち止まり、瓦礫の山の上に座っている人物を指さす。

リコ「!」

リンコ、茫然としつつ一歩前へ踏み出す。漆黒のローブの人物、それを確認してリンコの腕を解放。

リコ「・・・・キョウヤ?」

瓦礫の頂上に座っていた人物、リンコの声によって振り返る。

キョヤ「リンコ。なぜここに・・・」

キョウヤ、そのまま立ち上がり、リンコとその隣にいる漆黒のローブの人物を見下ろす。

次回につづく

僕らが知るべき犯した罪は

2017年 03月25日 19:28 (土)

今日も天気はまあまあだし、体調も復活してきたので過ごしやすかったけれど、明日には天気も下り坂らしいので、また寒くなるのかしら?それは嫌かも。で、今日のおまけも変な漫画の続きです。正規三名の幼少期は、ミクの悲しい(?)記憶という感じですね。

hatsunerinhai2.jpg

リト「・・・どういうことだよ?」

クオ「リンコ・・・」

リント&ミクオ、ゆりかごに到着した途端、目の前の光景に愕然。

ルイ「何突っ立っとるねん。後ろ、つかえとるで!さっさと進めや」

ルイ、茫然と立ち尽くしているリントを押しやる。レイ、それに続くもリントとミクオの様子がおかしいことに気付く。

レイ「リント、どないした?」

リト「・・・リンコは、眠っているはずだ。ポッドに入って・・・でも・・・」

レイ、リントの視線を追う。すると開かれたポッドの蓋が目に飛び込んでくる。

レイ「蓋、開いとるやん」

ルイ「あ?雌ミカン、起きたんか?」

ミクオ、ポッドに近付いて中を確認するも、そこはもぬけの殻。

ミク「ちょっと。みんな扉の前で立ち尽くさないで。まだ私の後ろにリンちゃんとレン君とミユもいるのよ」

ミク、ルイとレイを押して前へ。そこでポッドの前で立ち尽くすミクオとリントに気付く。

ミク「クオもリント君も、どうしたの?」

リン「ゆりかごに到着~!ん?どうかしたの?」

レン「なんだ?みんなして立ち尽くしちゃって」

リト「・・・いない」

リン「え?」

リト「リンコがいない!」

ミユ「!」

ミユ、リンたちを押しのけてすぐにリントとミクオの方へ。開いたポッドの中を確認し、周囲を見回す。

ミユ「・・・どういうことだ?リンコは何処に行った?」

クオ「それはこちらが聞きたいことだ!」

ミク「リンコちゃんがいないって、どうして!?だってリンコちゃん、眠っていたじゃない!」

リン「リコちゃん、いなくなっちゃったの?そんな・・・」

ミユ「リント。リンコの気配を感じるか?」

リト「・・・分からない。でも、嫌な気分は続いているから、リンコはたぶん起きていることは確かだと思う」

ルイ「雌ミカンのケセランパサラン、どないした?」

ミク「そうよ!そういえばパサラを残していったはずだわ」

レン「白物体X、リンのしかいないよ?」

レン、リンの横のふうりを見る。

ミユ「リント。ケセラは?」

リト「ケセラ、壊れちゃったんだ。一応いるけれど、機能は停止しているから」

リント、ポケットからケセラを出す。ミユ、それを確認してから踵を返し、別方向へ向かって歩き出す。

クオ「ミユ、どこへ行く!?」

ミユ「他の部屋を確認する。君たちは此処から動かないように」

レイ「待てや!完音一人で行くんは危険やさかい。俺も行く」

ルイ「ウチも!」

ルイ&レイ、そのままミユと一緒に移動。他一同、それを見送る。

クオ「・・・リント。リンコは無事なんだな?それは確かなんだな?」

リト「嫌な感じはするけれど、それは衝撃とか、そういったものじゃないと思う。でも・・・」

レン「まさかリンコ姉まで、レンカみたいにあいつに攫われたんじゃないか?」

リン「え?」

レン「だってリンコ姉、あいつのターゲットに名前が含まれていたじゃないか!あいつ、リントのことも狙っていたみたいだし。だからきっとリンコ姉も、あいつが・・・」

リト「それは違う」

ミク「リント君?」

リト「キョウヤはリンコのことは、そんな風に思っていない。リンコはターゲットではなくて、あくまで俺から生まれた存在だから、レンカから生まれたキョウヤと共通点もあるっていうことで、それだけがキョウヤがリンコに対するこだわりの理由であり、リンコにどうこうするつもりは一切ないはずだから」

クオ「そんなこと、わからないだろう!?レンカのように、奴がリンコを攫った可能性がゼロとは言えない。それどころか、その可能性が一番高い!そもそも奴はおまえだって、光の柱に閉じ込めたんだ。そんな奴のことを、とてもじゃないが信用できない!」

リト「でもキョウヤがレンカから生まれているなら、キョウヤは嘘を言うようなことはしないと思う。少なくともキョウヤの今までの行動や言動からして、あいつが嘘を言ったとは思えない。・・・信用できないのは、仕方ないけれど」

リン「でも、それなら一体どうしてリコちゃんはいなくなっちゃったの?あの人の所為でないなら、一体誰が・・・」

ミク「・・・もしかして」

レン「ミク姉?」

ミク「思い当たることがあるわ。秘音キョウヤって人には、協力者がいるらしいの。鏡音リンタ君がそう言っていたわ。だからもしかしたら、その協力者がリンコちゃんを攫った可能性もあるわよね?」

リン「協力者?それって、一人?それとも複数??」

レン「でもその協力者っていうのが関係しているとしても、一体どうやってココに?ココにはゲートが召喚されないと、入れない構造じゃないか」

リト「・・・・・」

一同、答えが出てこないためにそのまま沈黙。しばしそんな状態が続くも、すぐにルイが戻ってくる。

ミク「ルイちゃん!どうだった?」

ルイ「・・ホールや」

リン「!」

リン、ルイの言葉に表情を引きつらせる。

レン「ホール?」

ルイ「壁にホールが召喚されとった。雌ミカンはおそらくそのホールへ入ったんや。今、ミユユとレイが追いかけとる」

リン「・・・レカちゃんの時と、同じだ」

レン「じゃあ、やっぱり秘音キョウヤがリンコ姉を・・・」

ミク「もしくは、その協力者ね」

ルイ「・・・ミユユからの伝言や。正規三名は、このままここで待機や。葱男と雄ミカンは、ウチと一緒にミユユとレイを追うさかい」

クオ「分かった」

レン「俺も行く!」

リン「リンも!リコちゃんはリンの亜種でもあるんだから!!」

ルイ「黙れ!正規どもは足手まといや!」

ルイ、リン&レンを一喝。リン&レン、びっくりして沈黙。

ミク「・・・私たちは、ホールを通ることは無理なの?」

クオ「ゲートよりホールは不安定だ。鏡音姉がホールに踏み入って迷子になり、果てに近いエリアに飛ばされた。ミク。おまえがホールに踏み入れば、それと同じことが起きるだろう。もちろんレンもな」

ミク「・・・・・」

ルイ「雌ミカンを助けたいんやったら、おとなしくココで待ってろや。それはレンカ様についても同じやな。ほな、いくで!時間がもったいないさかい」

ルイ、踵を返して歩き出す。それにミクオとリントも続くも、リント、一旦振り返ってミクたちに視線を向ける。

リト「ミク、リン、レン。リンコとレンカはきっと連れ戻すから、三人はここで待っていてくれ。三人の気持ちは、リンコとレンカに俺からちゃんと伝えるから」

ミク「リント君・・・」

リン「・・・そうだね。リンたちは、待つことしか出来ないんだね」

レン「・・リント」

リント、無言で微笑すると、そのままミクオとともにルイを追いかける。ミク、リン、レン。それを無言で見送ることしかできない。

次回につづく