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子猫が遊ぶ影絵の温度

2019年 05月15日 19:36 (水)


暑くもなく寒くもない日が続いており、気温としては過ごしやすいですが、やっぱり部品作成に手がつかない状態が続いております。そろそろストックも少なくなっているので、手をつけたい気持ちはあるのですがね。で、今日のおまけはリン単独落描きですが、これも前回のレンカ同様に手抜きというか、急いで描いた代物です。

rin7.jpg

ミク「あれ?クオはいないの?」

ミク、リビングにやってくると、いつもソファに座っているミクオの姿が見えないことに気付き、首をかしげる。

シュヲ「ミクオなら本の整理をすると言って、自室と書庫を行き来しているみたいだよ」

ミク「さてはまた自室が本でいっぱいになっちゃったのね。クオは本を収集しすぎなのよ」

シュヲ「そうかもしれないね。ミクのグッズと同じだね」

ミク「私のグッズはちゃんと整理してあるわよ。・・・それに出来ることなら、本当は自室以外にも飾りたいんだけど」

シュヲ「そのようだね。後ろに隠しているものは何だい?」

ミク「あれ?気づかれちゃったのね。・・・見て!これ、新しい私のグッズでマグカップなの。これなら実用性もあるし、クオにも文句を言わせないわ!」

シュヲ「そう。良かったね。ミク。・・・おや?」

リント、ソファに座ってTVを視聴していたが、大きなあくびをしてから目をこする。

シュヲ「眠そうだね。リント」

リント、こくりと頷く。

ミク「リント君、眠いの?それならお茶の時間までまだあるから、少し寝た方がいいんじゃない?」

リント、また頷いてからゆっくり立ち上がる。

ミク「お茶の時間になっても起きてこなければ、クオかシュヲが起こしに行くから大丈夫よ」

リント、にっこりとミクに笑みを浮かべて見せてから、そのままリビングを出て自室へ。

ミク「シュヲ、今のリント君を見た?私に笑いかけてくれたわ!」(喜)

シュヲ「そうだね。良かったね。ミク」

ミク「うん!よーし。今日のお茶の時間はこのマグカップを使うわよ!シュヲも使う?まだあるから」

シュヲ「え?僕はいいよ。いつもので」(汗)

ミク「そう?じゃ、クオとミユにも勧めてみようかな~?リント君には、さすがに恥ずかしくて勧められないけれど」(照)

シュヲ「ミクオとミユも、たぶん断ると思うけどね」

ミク「何か言った?シュヲ!」(半眼)

シュヲ「別に」(苦笑)

直後、大きな物音が廊下から響く。

ミク「きゃっ!何?あの音」

シュヲ「どうしたんだろう?」

シュヲ、端末機操作の手を止めると、そのまま立ち上がってリビングを出る。ミク、そんなシュヲの後を追いかける。

ミク「ああ!?クオがリント君に襲いかかってるわ!!」

ミクオ&リント、廊下に倒れて本の下敷き状態。

ミク「もう!廊下でそんなことするなんて!!クオにも困ったものね」

シュヲ「・・・これはどういうことかな?ミクオ」

シュヲ、にこにこしながらしゃがみ込み、ミクオの顔を覗き込む。

クオ「ち、違う。違うぞ!俺はただ自室から書庫に本を運ぼうとしていただけだ。そうしたら、何かにぶつかって・・・」

シュヲ「何かというのが、リントだったということみたいだね。でも前をちゃんと見ていれば、避けられただろう?」

クオ「・・・本を抱えていて、前が見えなかった。リントは気づいたかもしれないが」

ミク「リント君は今、体力ない状態なのよ!クオがちゃんと避けなきゃダメじゃない!」

シュヲ「リントは気づいたかもしれないけれど、反射神経も当然普段より鈍っているから、避けられなかったのかもしれないね」

ミクオ、身体を起こして立ち上がってから、リントの上の本を退かしつつ、リントを引っ張って立ち上がらせる。

シュヲ「ミクオ、それはダメだよ」

シュヲ、ミクオとリントの間に入り、ミクオの手を掴んでリントから強引に離させる。

クオ「・・・あ、そうだったな。だが、この程度なら・・・」

シュヲ、首を横に振る。

ミク「クオ、リント君に触れるのは禁止でしょ!!リント君に何かあったらどうするつもり!?」

クオ「分かっている!だが、今のは不可抗力だ」

ミク「そんなこと言って、結局いつもリント君とべたべたするのはクオなのよね」

ミク、むくれてそっぽを向く。シュヲ、そんなミクを見て苦笑。

シュヲ「とにかくリントは、部屋に戻って寝るといいよ。ミクオは本を片づけないといけないね」

クオ「おまえに言われずとも、そのつもりだ」

ミクオ、むっつりしつつ本を拾い始める。

~小休止~

ミク「・・・っていうことが、昼間にあったのよ。クオには本当に困ったものよね」

ミユ「なんだ。もう早速リントに触れてはいけない禁止令を破ったのか。ミクオ」

クオ「だからあれは事故だったんだ。ミクの言うことは信用するな。ミユ」

ミク「何よ!私だってずっと我慢してリント君に近付かないようにしていたのに。抜け駆けしながら、言い訳なんてしないでよね」

クオ「抜け駆けなんかじゃないぞ。ミク、いい加減にしろ!」

ミク&ミクオ、にらみ合う。ミユ、それを見て苦笑しつつ、シュヲの方へ。

ミユ「それでリントはまだ寝ているのか?」

シュヲ「そうだね。ミユも来たことだし、起こした方がいいかな?」

ミク「そうだわ!ミユが来たらお茶にするから、リント君を起こす約束をしていたんだった。シュヲ、リント君を起こして来て!」

シュヲ「僕がかい?」

ミク「そうよ。クオだとまたリント君にちょっかい出すかもしれないから心配だわ」

クオ「俺はレンじゃない。そんなことするものか!」

ミク「どうかしらね~?説得力ぜんぜんないんだけど」

シュヲ、そんなミクとミクオのやり取りを見て苦笑。

シュヲ「それじゃ、僕が行くよ」

ミユ「では、私はお茶の準備をしよう。ミクオ、ミク。どちらか手伝ってくれ」

ミク「あ、私が行くわ!今日はおニューのマグカップをおろすからね」

ミク、キッチンに向かうミユを急いで追いかける。

ミク「ねえねえ!ミユも新しいマグカップにする?可愛いのがあるのよ」

ミユ「可愛いのだと?どんなマグカップだ?」

ミク「じゃーん!これよ。これ!」

ミユ「・・・それは、君のグッズか」

ミク「そうなの!可愛いでしょ~?これ以外にもバージョン違いがあるから、ミユはそっちを使ってね」

ミユ「私は今まで通りのマグカップでいい」

ミク「ええ!?・・・ミユもシュヲと同じなのね」

ミユ「何だと?ミク、まさかシュヲにもそのマグカップを勧めたのか?」

ミク「そうよ。でも断られちゃったわ。あとはクオに勧めたいところだけど」

ミユ「やめておけ。ミクオは確実に嫌がる」

ミク「・・・まあね。クオは、そうだと思うけどね」

ミユ「他のバージョンはコレクションとして、君が持っていればいいじゃないか」

ミク「仕方ないわね。じゃ、他のはそうするわ」

ミク、まだ少し不満そうにしつつも、お茶の準備を開始。ミユ、そんなミクをみてほっとしつつ、ミルクと砂糖を持ってダイニングへ。

ミユ「ミクオ。ミルクと砂糖以外にも必要か?」

クオ「それだけでいいだろう。俺はどちらにしろほとんど使わないしな」

ミクオ、読書中だったがミユに声をかけられ、顔をあげる。直後、扉が開いてシュヲが姿をみせる。

ミユ「シュヲ。リントは?」

シュヲ「寝ていたから起こしたんだけど・・・」

シュヲ、少し困惑したような笑みを浮かべつつ、後ろにいたリントを前に押し出す。ミクオ&ミユ、リントの姿を見て絶句。

ミク「今日のお菓子はチーズタルトよ。・・・え?」

ミク、扉付近に佇むリントの姿を見て、驚愕。

ミク「リ、リント君?リント君なのよね??」

リント、ミクに名前を呼ばれたことでそちらを振り返る。その際、腰近くまである長い髪の毛がさらりと揺れる。

シュヲ「・・・見ての通り、今度は髪の毛が伸びすぎてしまったようだよ」

次回につづく
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私にひそむ雨の領域

2019年 05月09日 20:12 (木)


このところ過ごしやすい気温なのでこれなら部品作成も進みそうなのだが、やっぱり時間なくてなかなか進まないのでした。で、今日のおまけ落描きはレンカ単独。これはかなり乱雑で、バランスも崩れてます。落描きでも、もうちょっと丁寧に描かないとダメだな。

lenka09.jpg

ミク「今朝は葱のスムージーと、焼き葱トースト。それに葱スープを用意しようっと!」

ミユ「何だと?朝から葱だらけではないか」

ミク「葱は喉にもいいのよ。だからリント君のために、今朝は葱パーティーよ!」

ミユ「君やミクオならさておき、そんなメニューではさすがにリントが気の毒すぎる。リントから愛想をつかされても知らないからな」

ミク「ええ!?せっかくリント君のために葱のフルコースメニューを考えたのに~!!」

ミユ「君の基準で考えるのはよくない。リントは別に君やミクオと違って葱が好物ではないだろう」

ミク「・・そっか。それもそうよね。じゃあ、また蜂蜜レモンティーでいいかな?」

ミユ「その方がいいだろう。似たようなもので、レモネードなどでもいいかもな」

ミク「レモネードか。ホットで蜂蜜入りのレモネードなら、きっとリント君も喜んでくれるよね?」

ミユ「たぶんな」

シュヲ「朝からにぎやかだね」

シュヲ、新聞を持ってダイニングへ。

ミユ「シュヲ。おはよう」

シュヲ「おはよう。ミユ」

ミク「あ、シュヲも起きたのね。シュヲは何を飲む?」

シュヲ「白湯でいいよ」

ミク「・・・つまらないわね。そんな味気ないのじゃなくて、もっとちゃんとした飲み物を飲んだら?」

シュヲ「そうかい?じゃ、お茶で」

ミユ「私もお茶にする。ミクは?」

ミク「私はカフェオレよ。リント君、まだ起きてこないわね」

ミユ「ミクオもな」

シュヲ「そうでもないよ。ほら、足音がする。どうやら起きたようだね」

どたどた激しい足音とともに扉が開き、リントを脇に抱えたミクオが姿を見せる。

ミユ「妙な登場の仕方だな。ミクオ、なんでリントをそんな風に抱えている?」

ミク「やだ!クオったら、朝から見せつけてくれるわね。もう!」

ミクオ、無言のままリントを解放し、そのままリントをずいっと前に押し出す。

シュヲ「おや?」

シュヲ、リントを見て首をかしげる。同じくミユ&ミクも、リントを見てびっくりした表情に変化。

リト「・・・・・」

ミユ「リント。どうしたんだ?君の髪の毛の毛先が、変色しているじゃないか」

ミク「私やクオと同じ!初音カラーだわ!!」

クオ「・・・朝起きたら、こんな状態だった」

シュヲ「なるほど。・・・ミクオ、一体君はリントに何をしたのかな?」

シュヲ、にこにこしつつミクオに視線を移動。それにつられるように、ミク&ミユもミクオに視線を向ける。

クオ「な、何のことだ?俺は別に・・・」

シュヲ「昨日、リントと最後まで一緒だったのは君だろう?皆が就寝している時、君と廊下で会ったからね」

クオ「それは確かにその通りだが・・・」

ミク「クオってば、昨晩リント君と一緒だったの?聞いてないわ!」

ミユ「なんだ。夜這いでもしたのか?ミクオ」

ミク「ええ!?クオったら、いくらリント君がしゃべれないからって、そんなことをするなんて!!」

クオ「違う!変なことを言うな!!ミユ」

シュヲ「ミクオ。とにかく詳しく説明してほしいな」

クオ「俺だってそのつもりだ!だが、この女どもを黙らせてくれ!そうしないと話にならない!」

ミク「なんですって!?失礼ね。夜這いをしたくせに!」

ミユ「開き直ったか。始末の悪い男だな」

クオ「ほらみろ!ミクもミユも、俺の話をまともに聞いてないじゃないか!」

シュヲ「ミユもミクも、まずはミクオの話を聞こう。文句はそれからでも遅くないよ」

ミユ「シュヲがそう言うなら、そうしよう」

ミク「仕方がないわね。とりあえずリント君、レモネード飲む?蜂蜜入りのホットにしようと思うんだけど」

リント、ミクに嬉しそうに頷いて見せる。

ミク「じゃ、準備するから待っててね」

ミク、キッチンへ。リント、それを追いかけようとするも、シュヲに腕を掴まれる。

シュヲ「リント。君は座っていた方がいいね。髪の毛がいきなり変色するくらいだ。あまり動かない方がいい」

ミユ「そういえばリンコも、確か金髪から銀髪に変色したんだったな」

シュヲ「そうだね。つまり今のリントは、リンコ同様にやはりデータが脆弱だということだね」

ミユ「そうなると、私もやはりまだ亜種の海には戻れないな。ミクオからシュヲが分離したし、そろそろ戻ろうかと思っていたのだが、リントが元通りに戻るまでは、こっちにいることにしよう」

シュヲ「悪いね。ミユ」

ミユ「気にしなくていい。ルイはさておきレイだってリントと親しいから、このまま亜種の海に戻るには不安があるだろうしな」

シュヲ「そうかもしれないね。だけど一番不安に思っているのは・・・」

シュヲ、普段より落ち着きのない様子のミクオを見つめる。

ミユ「間違いなくミクオだろうな。ミクオ、昨晩何があったんだ?」

クオ「夜、リントが俺の部屋に来た。それで少し話をして・・・リントはしゃべれないから端末機を使った会話だが、それで話した後に俺は一旦部屋を出て、シャワーを浴びた後に部屋に戻った。しかしリントがまだ部屋にいて、すでに俺の寝台で熟睡していた」

シュヲ「それでそのまま君も眠ったのかい?」

ミクオ、無言で頷く。

ミユ「なるほど。それでは夜這いではなく、君の部屋で一緒にベッドインか」

ミユ、にやりと笑う。それを見てミクオ、不愉快そうに表情をしかめる。

シュヲ「君が眠る前のリントは、金髪のままだったんだね?」

クオ「ああ。こんな風に毛先だけとはいえ、変色していなかった」

ミユ「リントが寝ている隙に何をしたんだ?ミクオ」

クオ「何もしていない!俺だって寝ていたんだから!!」

シュヲ「それで今朝、目覚めたらリントの髪の毛が変色していたということかな?」

クオ「そうだ。それで驚いて、そのまま急いでこっちに来た」

シュヲ「そう。それじゃ、君は何もリントにしていないということだね?ミクオ」

クオ「だからそう言っているだろう!何度も言わせるな!」

ミク「クオ、朝から怒鳴らないでよ。うるさいわよ」

ミク、レモネードの入ったマグカップを持ってダイニングへ。

クオ「おまえたちが俺を誤解しまくっているからだ!」

ミユ「やれやれ。昨日といい今朝といい、君は怒ってばかりだな。気が短すぎるぞ。ミクオ」

シュヲ「ミユ。ミクオについてはそれくらいにして、とにかく今はリントのことを考えないと」

ミユ「それもそうだな。リント、何か体調の変化などはないか?」

リント、こくりと頷く。

シュヲ「体調は大丈夫みたいだね。でも髪の毛の変色とは、毛先だけとはいってもあまり歓迎すべきことではないね」

ミユ「そうだな。このままの状態だと、もしかしたらすべての髪の毛が変色する可能性もあるぞ」

シュヲ「そうなると、やっぱりデータの安定率が余計に悪くなるかもしれないね」

リント、ミユとシュヲの会話を聞いて不安そうな表情になる。

ミク「それなら、どうすればいいの?髪の毛を洗っても、色は落ちないでしょう?」

ミユ「染めたわけじゃないからな。・・・だから、今のうちに切ってしまった方がいいだろう」

クオ「切るとは、変色した髪の毛をか?」

シュヲ「そうだね。それが一番無難な対処方法だと僕も思う」

ミク「リント君、髪の毛を切っちゃうの?」

ミユ「変色した毛先だけだ。リント、それでいいか?」

リント、すぐに頷く。

シュヲ「そう。じゃ、すぐに切った方がいいね」

ミユ、シュヲの言葉を聞いてハサミを持ってくる。

ミク「私がやるわ!」

ミク、急いでミユの方へ。しかしミユ、ミクに首を横に振ってみせる。

ミユ「君はダメだ。ちなみにミクオもだ。君たちはリントに触れない方がいい」

ミク「え?」

シュヲ「ミユの言う通りだよ。もしもリントにミクかミクオが触れたなら、またリントの髪の毛が変色しかねないからね」

ミク「そんな・・・」

シュヲ「今のリントは、本当に不安定だからね。・・・そうだな。もしかしたら、初音家よりも鏡音家の方が安全かもしれないな」

クオ「なんだと?」

シュヲ「鏡音家のメンバーならリントと同じ金髪だし、リンはリントの正規でレンカはリントとセットだ。だからデータが不安定になる要素がないからね」

ミユ「だが、今はルイとレイもいるぞ。二人とも鏡音系列だが、黒髪だからな。そうなるとリントに影響が出る可能性もある。それにレンは、たぶん過度なまでにリントにちょっかいを出すから、そういった意味ではリントが疲労してしまうかもしれない」

シュヲ「そうか。それだと鏡音家もダメだね」

ミク「リント君に触れなければいいんでしょ?それなら大丈夫よ!私もクオも、リント君の声が戻るまでは、リント君に不必要に接近しないわ!そうでしょ?クオ」

クオ「・・・そうだな。そういう理由なら、俺も注意する」

ミユ「まあそれでいいだろう。とりあえずリント、髪の毛を切るぞ」

ミク「・・・ミユが切るの?」

ミク、不満そうにミユをじっと見る。ミユ、そんなミクの視線に苦笑しつつ、持っていたハサミをシュヲに渡す。

シュヲ「僕がやるのかい?」

ミユ「私ではミクが嫉妬するからな。シュヲ、頼む」

シュヲ「じゃあ、そうしよう。リント、髪の毛を切るから一旦移動しよう」

シュヲ、リントとともにリビングへ移動し、そこでリントの変色した髪の毛の毛先を適当にカット。

クオ「ためらうことなくカットするんだな。おまえという奴は」

シュヲ「ためらう必要があるのかい?・・・・さて。これでいいかな」

ミク「少しバランスが悪い気がするわ」

シュヲ「すぐに伸びるから大丈夫だよ」

ミユ「短くなってすっきりしたじゃないか。リント、良かったな」

ミユ、手鏡をリントに渡す。リント、鏡に映った自分を見て、ちょっと首をかしげる。

ミク「少し短くなっただけなんだけど、なんだか新鮮な感じね」

ミユ「バランスが悪いと言ったじゃないか。ミク」

ミク「そうだけど、短髪のリント君もいいなって思えてきたんだもの」

ミユ「わかったわかった。じゃ、もうダイニングに戻って朝食にしよう」

ミク「うん」

全員ダイニングに移動。そのままようやく朝食を開始。

次回につづく

夢てふものは頼みそめてき

2019年 05月02日 11:49 (木)


大型連休中なので、ちょっと普段と違う時間にココも更新ですが、それにしても眠い。最近、夜更かし気味でいかんな。おかげで寝起きがいまいちすっきりしない日が続いております。で、今日のおまけ落描きはクオリトです。また無駄に絡んでいるな。

kuorito26.jpg

ミク「それじゃ、お休みなさい。リント君、しっかり休んでね」

リント、無言で頷く。

ミク「ミユ、部屋に行こう!」

ミユ「ああ。リントもそうだが、シュヲも寝た方がいい。もう夜も遅い」

シュヲ「僕は大丈夫だよ」

ミユ「だが、明日もあるからな」

リント、ミユの言葉を聞いてシュヲの腕を引っ張る。

シュヲ「分かったよ。じゃ、僕も部屋で休むから」

ミク&ミユ、そのままミクの部屋へ。シュヲとリントはそれぞれ自室へ。しかし少ししてからリント、部屋からそっと出てきて、キッチンへ移動。

リト「・・・・・」

リント、きょろきょろしつつ自動システムを確認。けれども目的のメニューがインプットされていないことを知って、仕方なく冷蔵庫へ。ご飯を取り出すとレンチンし、ラップの上に海苔と温めたご飯を置くと、塩を適当に振りかけ、おにぎりを作る。それをトレイにお茶の入ったマグカップとともにのせて持つと、キッチンを出てミクオの部屋へ。ノックした後、扉をそっと開く。

クオ「リント?おまえ、まだ起きていたのか」

ミクオ、寝台の上に起きて読書中だったが、リントの姿を見て読書を中断。リント、ミクオの方へ移動し、持っていたトレイをミクオへ押し付ける。

クオ「・・・・これは、俺に食べろと言うのか?」

リント、こくりと頷く。

クオ「お茶はさておき、この米の塊は一体・・・まさか、おにぎりのつもりとか?」

リント、ミクオの言葉に表情をしかめるも、自信なさげに頷いてみせる。ミクオ、それを見て苦笑。

クオ「三角でも俵型でもないな。ライスボールといった感じだが、まあ別にいいか」

ミクオ、トレイを自分の膝の上にのせる。リント、それを見て自分の端末機を取り出し、文字入力してミクオにディスプレイを見せる。

クオ「・・・”ごめん”。それは何の謝罪だ?」

リント、再び文字入力。”俺はミクのための行動とはいえ、結局自分のことしか考えてなかった。”

クオ「そうか。おまえはそう感じたのか」

リント、続けて文字入力。”俺は俺が無茶なことをしても、俺のことだから問題ないと思ってた。でも俺の所為で、結局ミクやおまえも傷つけた。”

クオ「・・・それは少し違うな。ミクはさておき、俺はそうじゃない。俺はおまえに傷つけられたのではなく、おまえを止められなかった自分に憤りを感じただけだ」

リント、ミクオの言葉に首を小さく横に振り、また文字入力。”俺が俺を大事にしなかったことで、俺を大事に思ってくれている連中を傷つけた。シュヲにそう言われて、やっと俺は気づけた。俺の行動は、リンコと一緒だったっていうことに。”

クオ「シュヲだと?あいつ、少しは鈍感が改善されたようだな」

リント、無言で頷いてから文字入力。”ミクオと共存したことで、シュヲもいろいろ学んだらしい。”

クオ「そうか。それなら俺との共存も、無駄ではなかったようだな。そしてそれは、おまえにとっても」

リント、頷く。

クオ「リンコのやったことを否定したくはないし、非難もしない。結果的にリンコが犠牲になってくれたおかげで、俺たちは今こうしてココに存在していられるのだから。・・・それでも、リンコがいなくなった痛みはずっと残っているし、たぶん一生消えることはないだろう。だからリンコには、出来ることならあんな選択はしてほしくなかった。もっと他に方法があったのではないかと、今でも考えてしまう。・・・考えたところで、過去は変えられないと分かっていてもな」

リント、ミクオをじっと見つめる。

クオ「リント。おまえはリンコを生み出した存在だ。だからおまえがリンコと同じような考えで行動を選択することは、俺にも分かっていた。それゆえにリンコが消失した後、俺はせめておまえだけは、リンコの二の舞にしてはいけないと思った。それが俺に出来る、唯一のリンコへの恩返しだと思ったから」

ミクオ、リントをじっと見つめる。

クオ「だからおまえのことを、俺は止めようと思った。おまえと意見がぶつかっておまえに恨まれたとしても、それでも俺はおまえの正規のエリアへ行くという選択を、止めたかった。・・・なのに、結局それが出来ずにおまえを危険な目に晒してしまった」

リント、文字入力。”でも、俺はもう気付いたから。おまえの気持ちも、皆の心配も。だからもう二度とこんなことはしない。俺はもっと俺のことも、ちゃんと考えてこれからは行動する。”

クオ「そうか。・・・そうしてくれると、俺としてもありがたい。だが、それでも仮にまたおまえが無謀なことをしようとしたら、俺はその時こそは、何が何でも止めるからな。覚えておけ」

リント、しっかり頷く。ミクオ、それを見て安心したのか、おにぎりを食べる。しかし一口食べて首をかしげる。

クオ「・・・これ、味がしないぞ」

リント、驚いて首をかしげる。ミクオ、もう一口食べてみる。

クオ「何だ?今度はやけに塩辛い。おまえ、ちゃんと塩をご飯に混ぜたか?」

リント、ばつが悪そうな表情をすると、さりげなくミクオから視線を外す。ミクオ、それを見て苦笑。

クオ「まあ腹の中に入れば同じだから、良しとしよう」

ミクオ、そのままおにぎりを全部いっきに食べると、お茶で流し込む。

クオ「ご馳走様。じゃ、俺はシャワーを浴びてくる。おまえはもう寝ろ。疲れているだろう?」

リント、こくりと頷く。ミクオ、そんなリントの頭を軽く撫でると、着替えとトレイを持って、部屋から出ていく。リント、そんなミクオを見送ってから、そのまま寝台にごろりと横になる。

~小休止~

ミクオ、キッチンでトレイとマグカップを片づけてからバスルームへ。しばらくして身支度を整えてバスルームから出ると、自室へ戻るべく廊下を進む。すると途中の部屋の扉が開き、シュヲがひょっこり顔を出す。

シュヲ「おや?ミクオだったのか。何か音がしたから気になったんだけど」

クオ「おまえ、まだ起きていたのか」

シュヲ「・・・どうやら、元気を取り戻したようだね」

クオ「まあな。さきほどリントと少し話した。おまえがリントを説得したそうだな」

シュヲ「説得?僕は何もしてないよ」

クオ「リントから聞いたぞ。おまえのおかげで、リントは自分自身を大切にしなくてはいけないことに気付けたと」

シュヲ「そのことか。でもそれは僕の意見というより、君の意見だ。君がそう考えていたから、僕がそれをリントに告げたまで。僕は君と共存していたおかげで、君の考えはある程度分かるようになってしまったからね」

クオ「・・・そうかもな。だが、俺は言葉としてそのことをリントに伝えられなかった。だからおまえが俺に代わって伝えてくれたことには、感謝している。ありがとう」

シュヲ「どういたしまして。それじゃ、もう君も寝るんだろう?」

クオ「ああ。おまえもさっさと寝ろよ」

シュヲ「そうだね。お休み。ミクオ」

シュヲ、笑顔で部屋に戻り、扉を閉める。ミクオ、それを見届けてから自室に戻り、眠るべく寝台へ。しかし・・・

クオ「・・・確かに寝ろと言ったが、なんでココで寝ているんだ?」

ミクオ、ミクオの寝台で堂々と寝ているリントを見て半眼。

クオ「おい。リント、自分の部屋へ戻って寝ろ。リント!」

ミクオ、寝ているリントの肩を揺さぶるもリント、熟睡していて起きない。

クオ「・・・仕方ないな」

ミクオ、ため息まじりに仕方なくリントを横に動かし、空いたスペースに自分が横たわる。そしてそのまま就寝。

次回につづく

Nothing is more honest than a dream.

2019年 04月24日 18:35 (水)


昨日も今日も頭痛の症状が出ており、珈琲だけでは痛みが緩和しないので風邪薬を服用中。これ、お天気が影響しているのでしょうかね?天気悪いと頭痛などの症状が出て、体調に影響が出るとよく聞くし。で、今日のおまけはミク単独の落書き。

miku08.jpg

シュヲ「おや?リンにレンがいるということは、もうミクもこっちに戻ってきたのかい?」

シュヲ、リビングの扉を開いて姿を見せると、すぐにリンとレンに気付いて首をかしげる。

ミユ「ああ。ミクは今、キッチンにレンカとともにいるぞ」

シュヲ「そう」

リン「あ!」

リン、シュヲの後ろからリビングに入ってきたリントを発見し、即座にそちらへ。レンも同じくリントの方へダッシュ。

レン「リント~!!」

リン&レン、リントに突撃ハグ。リント、その衝撃で倒れかかるも、シュヲに支えられたおかげで倒れずに済む。

リン「リト君、ミユちゃんから聞いたよ!声、出なくなっちゃったんだってね。リン、ずっと心配してたんだから!」

レン「リント、大丈夫だよ。俺が傍にいるから安心していいぞ」

リント、リンとレンを交互に見てから、小さく頷いて見せる。

レン「そうだ!声、出ないなら俺がチューしてあ・げ・る❤。そうすれば声、出るようになるかも」

レン、そのままリントに顔を接近させるもリント、即座にレンから顔をそらし、キスされないようにレンの顔を思いっきり掴んでそれ以上の接近を拒む。

レン「リント~。照れなくていいんだぞ~。・・・ぐわっ」

レン、レイに後ろから頭を殴られる。

レン「いきなり何しやがる!?黒バナナめ!」

レイ「リントから離れろや!リント、嫌がっとるやん」

レン「リントは照れてるだけだよ!あっちいけ!邪魔するな~!」

レイ「邪魔はどっちやねん!」

レン&レイ、そのまま喧嘩開始。リント、その隙に急いでレンから離れてミユやルイのいる方に移動。

シュヲ「レンとレイは元気だね」

リン「うん。いつも二人、ああやってじゃれてるの」

リント、レン&レイの様子を半眼で一瞥した後、テーブルの上の見慣れぬ包みに気付き、ミユの服の袖を軽く引っ張り、包みを指さす。

ミユ「ん?・・・ああ。あの包みは、ミクが正規のエリアから持ってきたお土産のお菓子だそうだ」

リント、興味津々なまなざしで包みを見つめる。

リン「リト君、まだダメだからね。あれ、おやつの時に食べるんだから」

リン、リントの視線に気づいてリントの横へ移動。シュヲも同様に、ミユとリントの横へ。

シュヲ「ミクオはまだ部屋かい?」

ミユ「ああ。しかしもうすぐお茶になるから、呼んだ方がいいかもしれないな」

シュヲ「じゃあ、僕が呼びに行こう」

シュヲ、そのままリビングを出てミクオの部屋へ。

レカ「皆さん、お茶の準備が出来ましたよ。人数が多いので、今日は全員紅茶にしました」

ミク「砂糖とミルクは用意してあるから、好みで使ってね。・・・あ!」

レンカ&ミク、キッチンから出てくる。すると即座にリントの姿に気付き、二人ともリントの方へ。

レカ「リント君」

ミク「リント君、ミユから聞いたわ。喉、大丈夫?」

リント、レンカとミクを交互に見て無言のまま頷いて見せる。

ミク「そうだわ!リント君、紅茶に蜂蜜と檸檬を入れたらどうかな?蜂蜜と檸檬って、喉に良いらしいから」

リント、ミクの提案に再び頷く。ミク、それを見て笑顔。

ミク「それじゃ、リント君は蜂蜜レモンティーね。私、用意するわ」

ミク、そのまますぐにキッチンに引き返す。レンカ、そんなミクを見て小さく笑みを浮かべつつ、テーブルの方へ。

ルイ「・・・雄ミカン。レンカ様に感謝せなあかんで」

ルイ、リントに小声で話しかける。リント、ルイの方を振り返る。

ルイ「葱女、ミユユから自分の症状聞いた途端、ショックで泣き出したんよ」

リト「!」

ルイ「そげな葱女を説得したんが、レンカ様や。レンカ様、葱女に謝罪までして説得しよったんやで」

リト「・・・・・」

ミユ「そういえばレンカは、君がこのような行動に出た気持ちをミクに代弁していたな。謝罪についても、君の代わりということだろう。君たちはセットだからな。リント」

ルイ「そやで。そのおかげで、葱女は元気取り戻したんよ」

リント、テーブルでお茶の用意をしているレンカを見つめてから瞳を伏せる。

ルイ「声出えへんでも、後でレンカ様にちゃんとお礼しとけや」

リント、ルイの言葉に深く頷く。

リン「レカちゃん、リンも手伝う~!」

リン、レンカの方へ。

ルイ「あ!ロリミカン、待てや!レンカ様の手伝いはウチがやる!」

ルイ、慌ててリンを追ってレンカの方へ。それとほぼ入れ違いにシュヲ、リビングに戻ってくる。

ミユ「シュヲ。・・・ミクオは、まだダメだったか」

ミユ、一人で戻ってきたシュヲを見てため息。リント、シュヲの方に不安そうな視線を向ける。

シュヲ「今日はもう一人にしておくしかなさそうだね。夕食もいらないそうだよ」

リント、落ち込んだ様子でうなだれる。

シュヲ「そんなに気落ちしなくても大丈夫だよ。ミクオは君に怒っているわけじゃないんだから」

シュヲ、リントの肩に軽く手を置く。

ミユ「自分のふがいなさに怒っている。そんなところだろ?」

シュヲ「そのようだね。だからリント。ミクオとの話し合いは、もうちょっと待ってあげてほしい」

リント、かすかに頷いて見せるも、リビングの扉の方を見て、姿を見せないミクオを気にかける。

次回につづく

希望とは不安定な喜び

2019年 04月17日 20:01 (水)


ただいま左目にちょっとばかり不快な症状が出ているので、あまり長時間PC作業は控えた方がいいと思いつつ、ついついやってしまっている。それでも少しは普段より控えているつもりですがね。で、今日のおまけ落描きはリンコ単独。リンコとキョウヤは消失しても、落描きでは登場し続けております。

rinko09.jpg

ミユ「シュヲたちが戻る前に言っておくが、今回の状況については、私とシュヲはある程度はこうなることを予測していた。しかしそれでもあえて君たちとリントとのやり取りから、リントの意志を優先させたんだ」

レイ「完音、それならなしてリントを行かせたんや?」

ミユ「リンコの時のようなことを繰り返さないためだ。リントにはリスクを背負って他人のために行動して、それによってリントが傷つけば、その相手である他人がどのように感じるのかを理解してもらう必要があった。・・・リントは、リンコを生み出した張本人だ。だからリンコの考えはリントの考えでもあり、リントもリンコと同じ行動を選択する。だからこそ手遅れになる前に、リントには学んでほしかったんだ」

ルイ「つまり荒治療ってやつやな」

レカ「今回のことは、リンコお姉さまの時ほどリスクは高くなかったと判断したんですね?ミユさん」

ミユ「ああ。多少リスクはあると思ったが、取返しのつかない状況になることはないと予測していたし、私とシュヲもそれなりの対策を実行していたから」

レイ「せやかて、リントの声は出えへんねん」

ミユ「声というか、喉にダメージが出るとは予測していなかったし、ボーカロイドとしては、やはり声が出ないというのは致命的かもしれない。しかし幸いうちのマスターは仕事が遅い上に登録メンバーも多いから、リント一人がダメになっても仕事面ではさほど困らないだろう。それに自然回復が可能な軽い症状だから、最小限の被害で済んだと私は思っている」

ルイ「・・・そやな。雌ミカンの時は、取返しつかへんかったから」

レカ「私もそう思います。リンコお姉さまの時のようは悲劇は、繰り返してほしくないのです」

ミユ「君たちに黙って私とシュヲだけで判断してしまったのは、申し訳なかったとも思う」

レイ「もうええねん。今回のことは、初音ミクオ以外は怒っとらんしな」

ミユ「ミクオが怒っているのは、リントや我々に対してというより、おそらく自分自身に対してだろうがな」

ルイ「そうなん?」

ミユ「たぶんな。・・・ん?転送機の音がするぞ。どうやらミクたちが帰ってきたみたいだな」

ルイ「もう戻ってきたんか。やけに早ないか?」

バタバタという足音とともに、リンが扉を開いてリビングに飛び込んでくる。

リン「リト君!」

リン、リビング内を見渡し、ミユを見て即座にそちらへ。

リン「ミユちゃん、リト君は?リト君、何処!?」

ミユ「リントは自分の部屋だ」

リン、それを聞くとすぐさま踵を返してリントの部屋へ行こうとするも、ミユに腕を掴まれて阻止される。

リン「離して!リン、リト君のところに行くの!!」

ミユ「リントは今、シュヲと一緒だ。邪魔をしてもらっては困る」

リン「シュー君と?やっぱりリト君、何かあったんでしょ!?」

ミユ「落ち着け。リン」

ルイ「そうやで。うっさいわ。ロリミカン」

レン「リーン。そんなに急いで戻らなくても・・・」

ミク「ただいま~」

レン&ミク、リンから少し遅れてリビングへ。

レカ「お帰りなさい。ミクさん、レン兄さん」

レン「ふう。リンってば、どうしたんだよ?」

ミク「みんな、お土産もらってきたの。こっちでは見かけないお菓子だから、楽しみにしていてね」

ミク、笑顔で持っていたお土産の包みをテーブルに置く。そしてぐるりと見渡してから、首をかしげる。

ミク「あれ?リント君とクオとシュヲがいないわ。三人は何処?せっかくお菓子もらってきたから、お茶にしようと思ったのに」

ミユ「自分の部屋にいる。だが、そろそろリントとシュヲはこっちに戻ってくるかもな」

ミク「そうなの。じゃ、クオも呼ばないとね」

ミユ「ミクオはしばらくそっとしておいてやってほしい」

レン「クオ兄なんてどうでもいいよ。俺はリントとリンがいればいいもんね」

ミク「そっとしておくって、クオに何かあったの?」

ミユ「ミクオというより、リントに異変があった」

ミク「え?」

レン「リントに異変って、どういこと!?・・・リン?」

リン、ミユにしがみつきつつ、泣き出しそうな顔でレンとミクを一瞥するも、すぐにうつむいて顔を隠す。

ルイ「ロリミカン、気付いとったんか」

リン、無言でこくりと頷く。

レカ「リンお姉さま・・・」

レイ「リントの正規やからな。気づかへん方がおかしいねん」

ミユ「リンはある程度分かっているようだが、私とリントが正規のエリアに入る直前に引き返したのは、ケセラに異常が出たからではない。ケセラのあの反応は、リントを守るための警告的な反応であり、いたって正常な反応だった」

レン「それじゃあ、まさか・・・」

ミユ「異常が出たのはケセラではなく、リントだ」

ミク「!」

ミユ「リントは今、声が出ない。スキャンとメンテの結果、喉に異常が生じていた」

レン「・・・ボーカロイドなのに、声が出ないだって?」

ミク「そんな・・・」

ミユ「亜種が正規のエリアに入るということは、そういうことなんだ。ただし直前で引き返したから、最小限の被害で済んだ。リントの声は自然回復が可能な状態であり、声以外には異常は出ていない」

リン「本当!?じゃあ、リト君は無事なんだね?ミユちゃん」

ミユ「ああ。今リントはシュヲから簡易メンテを受けている」

リン「リンのデータでリト君の喉、治してあげられないの!?」

ミユ「それは可能だが、リントがそれを望んでいない。それに私も、それはあまり推奨できない。その方法はリン、君に負担になる。だからリントは時間はかかるかもしれないが、自然回復の方を選択した」

レン「時間がかかるって、どれくらいかかるの!?」

ミユ「早ければ一週間、長くても一ケ月といったところだな。その間、リントは仕事を休む。すでにマスターには連絡済みだから」

レン「・・・じゃあ、リントの声は元通りになるんだね?」

ミユ「ああ」

ミユの返事にレン、ほっとして胸をなでおろす。リン、へなへなとその場にしゃがみこむ。

ルイ「何しとるねん?ロリミカン、しっかりせえ!」

リン「だってリン、リト君のことがずっと心配で・・・」

ミユ「君たち正規三人は知らなかっただろうが、リントが正規のエリアに行くと言い出してから、少し亜種たちの間ではもめていたんだ。とくにミクオは大反対していたからな」

レイ「それで今も、初音ミクオは部屋に閉じこもっとるねん」

ミク、レイの言葉を聞いて表情をこわばらせる。

ミク「・・・私の所為だわ。クオのことも、リント君のことも」

ミユ「ミク?」

ミク、ぽろぽろ涙をこぼす。

ミク「私が、あんな風にリント君を困らせちゃったから。・・・その所為でリント君は声を失って、クオまで傷つけて・・・」

ミク、両手で自分の顔を覆う。レンカ、それを見て急いでミクの方へ。

レカ「ミクさん、お願いですから、そんなことを言わないでください!リント君はミクさんに喜んで欲しいから、無茶だと知っていてもミクさんに同行することを選んだのです!」

リン「・・・レカちゃん」

レカ「そんなリント君を止めることは、私はもちろんミクオさんにすら出来なかったのです。それだけリント君は覚悟した上で、行動したのです!・・・だからそんなリント君の気持ちを、どうか分かってあげてください。リント君の望んだことは、ミクさんが傷つくことではありません。ミクさんに喜んでほしいから、笑っていてほしいからこそ、あのような行動に出たのです!」

ミク、レンカの言葉に驚いて涙を流したまま、レンカを見つめる。

レカ「リント君のしたことは、結果的に間違っていました。ミクさんをこんな風に泣かせてしまったのですから。それでもリント君は、ミクさんのことを考えて行動に出たのです。そのことだけは、どうか分かってあげてほしいのです。・・・リント君の妹として、セットとして、リント君に代わって私が謝ります。ミクさんにはご迷惑をかけてしまい、申し訳ありませんでした」

レンカ、ミクに頭を下げる。

レカ「本当にごめんなさい。・・・ですが、どうかお願いですから、リント君の気持ちを理解してほしいのです」

ミク「・・・やめて。レンカちゃん、そんなことしないで!」

ミク、涙をぬぐってから、頭を下げるレンカに手を差し伸べる。

ミク「レンカちゃんが謝る必要なんてないわ!もちろんリント君だってそうよ。・・・お願い、顔を上げて!!」

レカ「ミクさん・・・」

ミク「私こそ、本当にごめんね。私が何も知らなかったから、こんなことになっちゃって」

リン「ミクちゃん、レカちゃん・・・」

リン、ミクとレンカの様子を見て立ち上がりつつ、二人の方へ。

リン「リト君、今の二人を見たら、びっくりしちゃうよ。ミクちゃんもレカちゃんも、元気出してよ。ね?」

レカ「リンお姉さま・・・」

レン「リント、声出ないのか。・・・じゃあ、俺が慰めてあげなくちゃ!」

レン、鼻息荒くガッツポーズ。

ルイ「何やねん?腐りバナナ、無駄に前向きやん」(呆)

ミユ「レンはいい性格をしているな」(半眼)

レイ「ごっつうざい奴やけどな」

ミク、リンやレンの様子を見て、冷静さを取り戻す。

ミク「・・そっか。そうだね。リンちゃんやレン君の言う通りだよ」

レカ「ミクさん?」

ミク「私、リント君をサポートするわ。これからリント君、声が戻るまできっと大変だもの。だから私、出来るだけリント君が過ごしやすくて笑顔でいられるよう、頑張る!・・・リント君だって、私のために行動してくれたんだもの。そうよね?レンカちゃん」

ミク、泣き笑い。レンカ、それを見て安堵の笑みを浮かべる。

レカ「はい。・・・きっとリント君、ミクさんがサポートしてくれたなら、とても嬉しいはずです」

ミク「それじゃ、まずはお茶の準備をしなくちゃね。リント君、お土産のお菓子を喜んでくれると思うの」

レカ「ミクさん。私も手伝わせてください」

ミク「うん!お願いね。レンカちゃん」

ミク&レンカ、そのまま笑顔で互いの顔を見合わせつつ、キッチンへ。

次回につづく